【第7回】人生を変えた本の話(その2)

 前の記事では自分の人生を変えた本は「物理のエッセンス 力学・波動」であると書いた。では、なぜこの本(というか参考書)が自分の人生を変えたと思ったか。

  それは、この本が自分の受験の合否に大きな影響を与えたからだ。僕はこの本を読んでいたおかげで受験に合格することができた。もしこの本を読んでいなかったら、僕は間違いなく不合格であったはずだ。この本を読むまでの僕は、熱力学や流体力学や材料力学といった学問を物理学から完全に切り離して考えていた。しかし、この本を読んで物理学を理解してからは、熱力学や流体力学や材料力学は物理学という大きな空の下で繋がっているのだということがようやく分かったのである。まあ、熱力学や流体力学は物理学から派生した学問なのだから当たり前と言えば当たり前の話なのだけれど、そういう当たり前のことに気付けないことは意外とよくある。

 人生には多くの分岐点があると思う。この人に出会ったから、今の人生があるという人もいるだろうし、とある事故がきっかけで人生が全く別のものになったという人もいるだろう。僕の場合、その分岐点の1つが「物理のエッセンス」を読むか読まないかというものであった。そして、今は「物理のエッセンス」を読んだ方の道を歩んでいる。そんな風に人生の分岐点となった本こそが「人生を変えた本」なのではないだろうか

 

 以上が人生を変えた本の話である。ここからはオマケだ。

 

 僕は寝る前に「どうしてこうなったのか?」とベッドの上で考えることがよくある。今のような人生で本当に良いのだろうかと疑問に思ってしまうのだ。そういう時には、もしあの時に別の道を歩んでいたらどうなっていたのだろうかと考えてしまう。もちろん、考えても答えは出ない。また、おそらく僕は別の道を歩んでいたとしても「どうしてこうなったのか?」とベッドの上で考えていると思う。

 人生には「たられば」が尽きない。そう考える人は僕以外にもいるはずだ。寝る前に突然わき出る後悔と妄想で頭が冴えて寝られない、そんな人にオススメの映画を紹介して今回の記事は終わろうと思う。

 

 オススメしたい映画とは「ラ・ラ・ランド」のことだ。あのとても有名な映画である。この映画の結末は、人生の中で「たられば」を何度も考えてきた人に響くものがあると思う。「たられば」を何度も考えてきた僕はエンドロールの時に涙が止まらなかった。できるなら前情報なしで観ていただきたい。